「報告文」「記録文」「説明文」「意見文」はどう違う? 書く文章の種類を一覧で整理する

「報告文」「記録文」「説明文」「意見文」はどう違う? 書く文章の種類を一覧で整理する 授業づくり

国語の教科書の「書くこと」の単元を並べてみると、さまざまな種類の文章が出てきます。観察したことを書く、見学したことを報告する、ものの作り方を説明する、自分の意見を述べる。

これらの文章には、「記録文」「報告文」「説明文」「意見文」といった名前がついています。でも、それぞれの違いを聞かれると、意外と説明しにくいものです。「観察記録と報告文は、何が違うの?」「説明文と報告文は、どちらも事実を書くのでは?」。

文章の種類を「文種」と言います。文種が違えば、書く目的も、組み立ても、使う言葉も違ってきます。この記事では、小学校の「書くこと」で出てくる主な文種の定義を整理し、それぞれの書き方のポイントをまとめます。

文種を決めるのは「目的」と「相手」

文種の違いを考えるときに、いちばん大事なのは、何のために書くのか(目的)と、誰に向けて書くのか(相手)です。

同じ「遠足で行った動物園」のことでも、目的が変われば、文種が変わります。

  • 見たことを、忘れないように書き残したい → 記録文
  • 見学して分かったことを、ほかの人に知らせたい → 報告文
  • 動物園のしくみを、知らない人に分かってもらいたい → 説明文
  • 「動物園は必要か」について、自分の考えを伝えたい → 意見文
  • 遠足で心に残ったことを書きたい → 作文(生活文)、感想文

文種を決めるのは、書く題材ではなく、書く目的です。この考え方を先に押さえておくと、それぞれの文種の違いが分かりやすくなります。

それぞれの文種の定義

「記録文」とは

記録文は、見たこと、したこと、観察や実験の結果などを、事実に即して、順序よく書き残す文章です。

観察記録、実験の記録、学級日誌、飼育日記などが記録文の仲間です。

記録文の目的は、事実を正確に残すことです。あとで自分が読み返したり、ほかの人が見たりしたときに、何があったのかが分かるように書きます。そのため、日付や時間、場所、数や大きさ、色や形など、具体的な事実をくわしく書くことが大事になります。

記録文では、自分の感想や意見は、事実とは分けて書きます。観察カードに「気づいたこと」と「思ったこと」の欄が分かれているのは、そのためです。

「報告文」とは

報告文は、調べたこと、見学したこと、観察や実験の結果などを、ほかの人に知らせるために、整理して書く文章です。

記録文との違いは、読む相手がはっきりしていることです。記録文は、自分のための記録であることも多いですが、報告文は、ほかの人に知らせるために書きます。

報告文には、決まった組み立てがあります。一般的には、次のような順序で書きます。

  1. 調べたきっかけや目的
  2. 調べ方
  3. 調べて分かったこと(結果)
  4. 結果から考えたこと(まとめ)

このように、目的・方法・結果・考察に分けて書くことで、読む人は、何を、どうやって調べて、何が分かったのかを、順を追って理解できます。理科の実験の報告や、社会科見学の報告、総合的な学習の時間の調べ学習のまとめなど、教科をこえて使われる文種です。

「説明文」とは

説明文は、物事のしくみや方法、理由などを、読む人が分かるように説明する文章です。

報告文との違いは、中心にあるのが「自分が調べたこと」ではなく、「説明する物事」そのものだという点です。報告文は「わたしは〇〇を調べました。その結果……」と、調べた人の行動が中心になります。説明文は、「〇〇は、このようなしくみになっています」と、物事そのものが中心になります。

説明文には、ものの作り方や遊び方を説明する文章(手順の説明)、物事のしくみを説明する文章、物事の理由を説明する文章などがあります。読む人が知らないことを、分かってもらうために、順序や例、比べること、図や写真などを工夫します。

国語の教科書で「読む」教材として出てくる説明文も、この文種です。読む学習で説明文の工夫を学び、書く学習で自分でも説明文を書く。読むことと書くことがつながりやすい文種です。

「意見文」とは

意見文は、ある事柄について、自分の意見を、理由とともに述べ、読む人を納得させる文章です。

意見文の目的は、読む人に、自分の考えを分かってもらい、できれば賛成してもらうことです。そのため、意見をはっきり述べるだけでなく、なぜそう考えるのかという理由や根拠を示すことが欠かせません。

意見文の基本的な組み立ては、次のようになります。

  1. 意見(自分はこう考える)
  2. 理由と根拠(なぜなら、こういう事実があるから)
  3. 予想される反論と、それへの考え(〜という考えもあるが、〜)
  4. まとめ(もう一度意見を述べる)

意見を最初に書く組み立て(頭括型)、最後に書く組み立て(尾括型)、最初と最後の両方に書く組み立て(双括型)などがあります。

意見文と似たものに、「提案文」「主張文」などもあります。どれも、自分の考えを述べて、読む人に働きかける文章です。

そのほかの文種

小学校で書く文章には、ほかにも、次のようなものがあります。

  • 生活文(作文):自分の経験したことや、そのときの気持ちを書く文章
  • 感想文:読んだり見たり聞いたりしたことについて、感じたことや考えたことを書く文章
  • 紹介文:人やもの、本などのよさを、ほかの人に伝える文章
  • 手紙:特定の相手に、用件や気持ちを伝える文章
  • 物語:想像したことをもとに、登場人物や出来事をつくって書く文章
  • 詩:感じたことや見たことを、言葉のリズムや響きを生かして表す文章

並べてみると

文種 目的 相手 中心にあるもの 組み立ての例
記録文 事実を正確に残す 自分・あとで読む人 観察・経験した事実 日時・場所・様子を順に
報告文 調べたことを知らせる ほかの人 調べた行動と結果 目的・方法・結果・考察
説明文 物事を分かってもらう 知らない人 説明する物事 はじめ・中・おわり、順序
意見文 考えを伝え、納得させる 考えの違う人も含む 自分の意見と理由 意見・理由・反論・まとめ

表にすると、四つの文種は、事実を書くことが中心のもの(記録文・報告文・説明文)と、意見を書くことが中心のもの(意見文)に分かれることが分かります。そして、事実を書く三つの中でも、自分のために残すのか(記録文)、調べたことを知らせるのか(報告文)、物事そのものを説明するのか(説明文)で、違いがあります。

学習指導要領ではどう扱われているか

小学校の学習指導要領(平成29年告示)の国語「書くこと」では、学年ごとの言語活動の例として、次のようなものが示されています。

  • 第1学年及び第2学年:「身近なことや経験したことを報告したり、観察したことを記録したりするなど、見聞きしたことを書く活動」
  • 第3学年及び第4学年:「調べたことをまとめて報告するなど、事実やそれを基に考えたことを書く活動」
  • 第5学年及び第6学年:「事象を説明したり意見を述べたりするなど、考えたことや伝えたいことを書く活動」

低学年では、見聞きしたことを報告したり記録したりする。中学年では、調べたことをまとめて報告する。高学年では、事象を説明したり、意見を述べたりする。学年が上がるにつれて、事実を書くことから、事実をもとに考えたことを書くこと、そして意見を述べることへと進んでいくのが分かります。

文種の違いは、そのまま、書く力の段階とも重なっているわけです。

混ざりやすいところ

報告文に、感想ばかり書いてしまう

社会科見学の報告文で、よくあるのが、感想ばかりになってしまうことです。「工場はとても大きくて、びっくりしました。機械がたくさんあって、すごいと思いました。」

これは、報告文というより感想文です。報告文では、読む人が知りたいのは、工場で何が分かったのか、です。「工場では、一日に〇〇個のパンをつくっています。生地をこねる、発酵させる、焼く、の三つの工程が、すべて機械で行われています。」このように、事実を中心に書きます。感想は、最後の「考えたこと」のところに、短く書きます。

説明文と報告文の区別がつかない

説明文と報告文は、どちらも事実を書く文章なので、混ざりやすいです。

区別のポイントは、主語です。報告文は、「わたしは〜を調べました」「〜を見学しました」と、調べた人が主語になる文が入ります。説明文は、「〇〇は〜です」「〇〇は〜のしくみになっています」と、物事が主語になります。

同じ「大豆」について書く場合でも、「わたしは、大豆がどんな食品に変わるのかを、本で調べました。その結果……」と書けば報告文、「大豆は、さまざまな食品に姿を変えます。まず……」と書けば説明文です。

意見文の理由が、感想になってしまう

意見文では、理由が感想になってしまうことがよくあります。「休み時間を長くするべきだ。なぜなら、楽しいからだ。」

感想は、その人が感じたことなので、ほかの人を納得させる理由としては弱いのです。理由には、確かめられる事実や、多くの人が納得できる考えを使うことが大事です。事実と意見、感想の違いについては、「『事実』『意見』『感想』はどう違う?」にくわしく書きました。

文種ごとによく使う言葉

文種が違うと、よく使う言葉も違ってきます。子どもに示しておくと、書くときの手がかりになります。

記録文では、日時や順序を表す言葉、様子をくわしく表す言葉がよく使われます。「〇月〇日、午前10時」「はじめは」「三日後には」「葉の大きさは、たて5センチメートルくらい」「うすい黄緑色」。数字や色、形を表す言葉を使うと、記録が正確になります。

報告文では、調べた行動と結果を表す言葉がよく使われます。「〜を調べました」「〜にインタビューしました」「〜ということが分かりました」「〜によると」。特に「〜によると」は、どこから得た情報かを示す大事な言葉です。

説明文では、順序や理由、比べることを表す言葉がよく使われます。「まず」「次に」「最後に」「なぜなら」「そのため」「〜に比べて」「たとえば」。読む人が順を追って理解できるように、段落の始めにこうした言葉を置くと、説明がぐっと分かりやすくなります。

意見文では、意見と理由をはっきり示す言葉がよく使われます。「わたしは〜と考えます」「〜するべきです」「その理由は二つあります」「たしかに〜という考えもあります。しかし」「だから」。とくに「たしかに〜。しかし」は、反論を予想して答える形で、意見文に説得力を出すための大事な言葉です。

こうした言葉を、文種ごとに掲示しておくと、子どもは書きながら確かめることができます。また、読む学習のときに、文章の中からこうした言葉を探させると、その文章がどの文種なのかを考える手がかりにもなります。

授業での工夫

単元の始めに、文種と目的を確かめる

書く単元の始めには、今回書くのはどの文種か、何のために、誰に向けて書くのかを、子どもと確かめます。

「今回は、社会科見学で分かったことを、来年見学に行く4年生に知らせる報告文を書きます」。このように、目的と相手をはっきりさせると、子どもは何を書けばいいかが分かります。

お手本の文章を読む

文種の特徴は、説明を聞くより、お手本の文章を読んだほうがよく分かります。

教科書には、たいてい、お手本の文章が載っています。お手本を読んで、「どんな組み立てになっているか」「どんな言葉が使われているか」を見つけさせます。報告文なら、「調べたきっかけ」「調べ方」「分かったこと」「考えたこと」の見出しに気づかせる。意見文なら、「意見」「理由」「まとめ」の位置を確かめる。お手本の組み立てを、自分の文章の設計図として使うことができます。

同じ題材で、文種を書き分ける

高学年では、同じ題材で、違う文種を書き分ける活動もおすすめです。

たとえば、「学校のごみの量」という題材で、ごみの量を一週間記録する(記録文)、記録した結果をまとめて報告する(報告文)、ごみを減らすべきだという意見を述べる(意見文)。一つの題材を、目的を変えて書くと、文種の違いが実感として分かります。そして、記録文の事実が、報告文の結果になり、意見文の根拠になる、という文種どうしのつながりも見えてきます。

よくある質問

「作文」は、どの文種に入りますか?

「作文」は、学校で書く文章全体を指す言葉として使われることが多いです。その中でも、自分の経験と気持ちを書く文章を、特に「生活文」と呼ぶことがあります。夏休みの思い出や、運動会の作文は、生活文にあたります。

理科の観察カードは、記録文ですか、報告文ですか?

観察したことをその場で書き残すカードは、記録文です。いくつかの観察カードをもとに、植物の育ち方をまとめて、ほかの人に知らせる文章を書けば、報告文になります。

新聞づくりは、どの文種ですか?

新聞は、いくつもの文種が組み合わさったものです。ニュース記事は報告文や説明文に近く、コラムや社説は意見文に近いものです。新聞づくりの学習では、記事ごとに、どの文種で書くかを意識させると、紙面にメリハリが出ます。

まとめ

記録文は、見たことや観察の結果を、事実に即して書き残す文章。
報告文は、調べたことや見学したことを、ほかの人に知らせるために整理して書く文章。
説明文は、物事のしくみや方法、理由を、読む人に分かるように説明する文章。
意見文は、自分の意見を、理由とともに述べて、読む人を納得させる文章。

文種を決めるのは、題材ではなく、目的と相手です。書く単元の始めに、「何のために、誰に向けて書くのか」を子どもと確かめるだけで、子どもが書く文章は、ずっと文種らしいものになります。

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