どうも。「せいたか先生」です。
2年生の冬に読む「お手紙」。がまくんとかえるくんの、あのやりとり。大人が読んでも、なんだかあたたかい気持ちになりますよね。
この物語の最後は、こう終わります。二人が玄関の前に座って、お手紙が来るのを待っている。そして、「ふたりとも、とてもしあわせな気もちで」そこに座っていた、と。
でも、よく考えると、このとき、お手紙はまだ届いていません。かたつむりくんが届けてくれるのは、四日も後です。お手紙が届いていないのに、なぜ二人は「しあわせな気もち」なのか。
ということで今回は、この問いを中心に、「お手紙」の教材研究をしてみます。
教材の特徴
まず、物語の骨組みです。
- 登場人物:がまくん、かえるくん、かたつむりくん
- 場面:がまくんの家の玄関、かえるくんの家
- 出来事:お手紙をもらったことがないがまくんのために、かえるくんがお手紙を書く
2年生の物語文としては、登場人物が少なく、出来事もシンプルです。そのぶん、会話文がたくさん出てきて、登場人物の気持ちが会話の中に表れています。音読や音読劇にとても向いている教材です。
がまくんの「かなしい」
物語の始まり、がまくんは玄関の前に座って、かなしそうにしています。
かえるくんが「どうしたんだい」と聞くと、がまくんは、お手紙をもらったことがない、と言います。毎日、お手紙を待つ時間が、かなしい時なんだ、と。
ここで、子どもたちに「がまくんは、なぜかなしいの?」と聞いてみてください。「お手紙が来ないから」と答えるはずです。では、「お手紙が来ないと、なぜかなしいの?」。ここまで聞くと、「誰も自分のことを思ってくれていない気がするから」という答えが出てくることがあります。
がまくんがかなしいのは、お手紙という「もの」がないからではなく、自分のことを思ってくれる人がいないと感じているから。ここを押さえておくと、最後の場面が読みやすくなります。
かえるくんの行動
がまくんの話を聞いたかえるくんは、急いで家に帰って、お手紙を書きます。そして、かたつむりくんに届けてくれるよう頼みます。
かたつむりくん。ここが、この物語の面白いところです。かえるくんは、なぜ、よりにもよって、かたつむりくんに頼んだのか。子どもたちは、必ずここでつっこみます。「かたつむりじゃ、遅いじゃん!」と。
ここで、「かえるくんは、かたつむりくんが遅いことを知らなかったのかな?」「遅くても、かたつむりくんに頼んだのはなぜだろう?」と考えさせるのも面白いと思います。正解はありませんが、子どもたちの想像が広がるところです。
お手紙の中身を言ってしまう場面
かえるくんは、がまくんの家に戻って、一緒にお手紙を待ちます。でも、なかなか来ない。がまくんは、もう待つのはあきあきした、と言い出します。
そして、かえるくんは、とうとう、自分がお手紙を出したことを言ってしまいます。それだけでなく、お手紙に何を書いたかまで言ってしまう。
親愛なるがまがえるくん。ぼくは、きみがぼくの親友であることを、うれしく思っています。きみの親友、かえる。
それを聞いたがまくんは、「ああ。」「とてもいいお手紙だ。」と言います。
なぜ「しあわせな気もち」なのか
そして、最後の場面。二人は、玄関の前に座って、お手紙が来るのを待ちます。「とてもしあわせな気もちで」。
ここが、授業の中心になる問いです。お手紙はまだ届いていない。なのに、なぜ二人はしあわせなのか。
子どもたちからは、こんな考えが出てくると思います。
- 「お手紙の中身を、もう知っているから」
- 「かえるくんが、自分のことを親友だと思ってくれていると分かったから」
- 「二人で一緒に待っているから」
- 「待つのが、もうかなしくなくなったから」
最初の場面で、がまくんにとって、お手紙を待つ時間は「かなしい時」でした。でも、最後の場面では、同じ「待つ時間」が「しあわせな時」に変わっています。同じ「待つ」なのに、気持ちが反対になっている。ここに気づくと、子どもたちの読みがぐっと深まります。
単元の流れ(案)
| 時 | 学習活動 |
|---|---|
| 1 | 通読。お気に入りの場面を選ぶ |
| 2 | 登場人物と場面の確認 |
| 3 | がまくんの「かなしい」を読む |
| 4 | かえるくんの行動を読む(お手紙を書く、かたつむりくんに頼む) |
| 5 | お手紙の中身を言ってしまう場面を読む |
| 6 | 最後の場面:「しあわせな気もち」を読む。最初の場面と比べる |
| 7 | 音読劇の練習(会話文に気持ちをこめて) |
| 8 | 音読劇の発表 |
発問例
- がまくんは、なぜかなしいの?
- かえるくんは、なぜかたつむりくんに頼んだのだろう?
- がまくんは、お手紙の中身を聞いて、どんな気持ちになった?
- お手紙はまだ届いていないのに、なぜ二人は「しあわせな気もち」なの?
- 最初の「待つ」と、最後の「待つ」は、どう違う?
おわりに
「お手紙」は、大切なのは「もの」ではなく、「自分のことを思ってくれる人がいる」という気持ちなんだ、ということを、2年生の子どもたちにも分かる形で伝えてくれる物語だと思っています。
単元の最後に、子どもたちが友達にお手紙を書く活動につなげる学校も多いと思います。がまくんのように、誰かのお手紙を待つしあわせ。かえるくんのように、誰かのためにお手紙を書くしあわせ。その両方を味わえるといいですね。


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