どうも。「せいたか先生」です。
夏休みの宿題の中で、子どもにも保護者の方にも一番嫌がられるもの。それが読書感想文ではないでしょうか。
原稿用紙を前にして、何を書けばいいか分からない。とりあえずあらすじを書いて、最後に「おもしろかったです」。原稿用紙の半分以上があらすじで埋まっている感想文は、毎年たくさん見かけます。
ということで今回は、読書感想文を「あらすじだけ」で終わらせないための指導を書いてみます。
なぜ、あらすじになるのか
子どもの感想文があらすじだらけになるのは、何を書けばいいか分からないからです。
「感想を書きなさい」と言われても、「おもしろかった」「楽しかった」以上の言葉が出てこない。でも、原稿用紙は埋めないといけない。そこで、とりあえず本の内容を書く。それがあらすじです。
つまり、あらすじが多いのは、子どもが怠けているからではなく、感想を書くための「材料」がないからなんだと思います。
本選びから始める
まず、本選びです。
読書感想文で一番大事なのは、心が動いた本を選ぶことだと思っています。課題図書や、先生がすすめる本でもいいですが、子どもが「これ、好き」「これ、気になる」と思える本でないと、感想は出てきません。
それから、長すぎない本を選ぶこと。長い本を選ぶと、読むだけで疲れてしまって、感想を考える余裕がなくなります。
読みながら「付箋」を貼る
本を読むときに、付箋を用意します。そして、心が動いたところに、付箋を貼っていく。
- 「えっ!」と驚いたところ
- 「わかる」と思ったところ
- 「なんで?」と疑問に思ったところ
- 自分と似ていると思ったところ
付箋には、一言でいいので、そのとき思ったことを書いておきます。「ここ、こわかった」「主人公、すごい」「自分もこういうことあった」。
この付箋が、感想文の「材料」になります。読み終わったときに、付箋が5〜10枚貼ってあれば、感想文は書けます。
付箋から一つ選ぶ
付箋の中から、一番心が動いたところを一つ選びます。
感想文は、この一つを中心に書きます。あれもこれも書こうとすると、どれも浅くなってしまうので。一つに絞って、そこを深く書く。
感想文の組み立て
組み立ては、こんな形がおすすめです。
| 段落 | 書くこと |
|---|---|
| はじめ | この本を選んだ理由。読む前に思っていたこと |
| 中1 | 一番心が動いた場面(あらすじは、この場面の説明に必要な分だけ) |
| 中2 | なぜ心が動いたのか。自分の体験と結びつけて |
| 中3 | 読んで、自分の考えがどう変わったか |
| おわり | これから自分がどうしたいか |
ポイントは、あらすじは「中1」の、心が動いた場面の説明に必要な分だけにすることです。本全体のあらすじは書かない。
それから、「中2」の自分の体験と結びつけるところが、感想文の一番大事なところです。
自分の体験と結びつける
ここで、先生や保護者の方の声かけが効きます。
子どもが選んだ場面について、「その場面、どうして心に残ったの?」「同じようなこと、自分にもあった?」と聞いてみてください。
- 「主人公が友達とけんかして、仲直りできなかったところが心に残った」
- 「どうして?」
- 「自分も、この前友達とけんかして、まだ仲直りしてないから」
ここまで聞けたら、もう感想文は半分できたようなものです。本の中の出来事と、自分の体験がつながると、その子にしか書けない感想文になります。
「考え」と「根拠」
読書感想文も、「考え」と「根拠」で書くことができます。
- 考え:「主人公は、本当は友達と仲直りしたかったんだと思う」
- 根拠:「なぜなら、主人公は、友達の家の前を何度も通っていたから」
「考え」と「根拠」を分けて書く練習は、感想文だけでなく、意見文や説明文にもつながります。以前書いた記事でも、全国学テの「書くこと」で、考えと根拠を分けて書くことが課題になっている、という話をしました。読書感想文は、その練習にもなります。
保護者の方へ
夏休み、お子さんが読書感想文で困っていたら、書き方を教える前に、本の話をしてみてください。
「どこがおもしろかった?」「どうして?」「自分だったらどうする?」。お子さんが話したことを、メモしておく。そのメモが、そのまま感想文の材料になります。
保護者の方が書いてしまうのではなく、お子さんの言葉を引き出してあげる。それが一番の手伝いだと思います。
おわりに
読書感想文は、本を読んで、自分の心がどう動いたかを書く文章です。あらすじは、本に書いてある。でも、自分の心の動きは、自分にしか書けません。
付箋を貼って、一つ選んで、自分とつなげる。それだけで、あらすじだらけの感想文から抜け出せるんじゃないでしょうか。


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