水泳の授業、水が苦手な子への場の設定 けのびまでの段階

授業づくり

どうも。「せいたか先生」です。

6月になると、プール開きの準備が始まります。子どもたちの中には、水泳の授業を楽しみにしている子もいれば、「プールが嫌だ」と朝から元気がない子もいます。

水が苦手な子にとって、水泳の授業は本当に怖い時間です。顔に水がかかるのが嫌、水に浮く感覚が分からない、足がつかないところが怖い。その怖さは、大人が思っているよりずっと大きいものです。

ということで今回は、水が苦手な子が「けのび」までたどり着くための場の設定と段階を書いてみます。

まず、怖さを分けて考える

水が苦手な子の「怖い」は、一つではありません。

  1. 顔に水がかかるのが怖い
  2. 水にもぐるのが怖い(息ができない)
  3. 浮くのが怖い(足が底から離れる)
  4. 進むのが怖い(体が水平になる)

この順番で、だんだん怖さのレベルが上がっていきます。なので、段階もこの順番でつくります。

段階1:顔に水がかかっても大丈夫になる

最初は、水かけっこやシャワーから。

いきなり顔を水につけさせるのではなく、手で水をすくって、自分で顔にかけるところから始めます。自分でかけるなら、怖さが少ない。慣れてきたら、友達とかけ合う。

それから、顔に水がかかったときに、手で顔をふかない練習。水が顔についたまま、目を開けていられるか。これができると、次の段階に進めます。

段階2:もぐる、息をはく

次は、もぐる練習です。

ここで大事なのは、水の中で息をはくこと。水が怖い子は、もぐるときに息を止めてしまいます。止めると苦しくなって、すぐに顔を上げる。

「水の中で、ぶくぶくぶく…と息をはいて、顔を上げたら、ぱっ!と息を吸う」。この「ぶくぶく、ぱっ」を、まずは口だけ水につけて練習します。それから鼻まで、目まで、頭まで、と少しずつ深くしていきます。

段階3:浮く

もぐれるようになったら、浮く練習です。

最初は、プールの壁や、ビート板、友達の手につかまって浮きます。足が底から離れても、手がつかまっていれば安心です。

「だるま浮き」(ひざを抱えて丸くなる)や「くらげ浮き」(力を抜いて手足をだらんとする)など、いろいろな浮き方を試してみると、「体の力を抜くと浮く」ということが分かってきます。

段階4:けのび

浮けるようになったら、いよいよけのびです。

壁をけって、体をまっすぐにのばして、水の中を進む。けのびは、すべての泳ぎの基本になる動きです。

最初は、友達や先生が手を引いてあげて、まっすぐな姿勢で進む感覚をつかみます。慣れてきたら、自分で壁をけって。「手を頭の上でそろえて、耳をはさむ」「おへそを見る」と声をかけると、体がまっすぐになりやすいです。

場の設定

段階ができたら、それを場にします。プールをコースに分けて、段階ごとの場をつくる。

場 すること
A(浅いところ) 水かけ、ぶくぶくぱっ
B(浅いところ) もぐる、浮く(つかまって)
C(やや深いところ) けのび(補助あり)
D(深いところ) けのび、ばた足など

プールによっては、浅いところと深いところがあまり変わらないこともあります。その場合は、プールフロア(台)を沈めて浅くしたり、コースロープで区切ったりして、場をつくります。

子どもが自分で段階を選べるようにしておくと、苦手な子も「自分のペースで進めばいい」と思えます。

安全のために

水泳の授業は、何より安全です。

  • バディシステム(2人組)で、お互いの安全を確認する
  • 監視の先生を必ず置く
  • 体調がすぐれない子、耳の病気がある子などは、事前に保護者の方や養護教諭と確認しておく
  • 水が苦手な子ほど、先生の目が届く場所で練習させる

それから、水温や気温、天候にも気をつけてください。寒い日は、無理をしない。

おわりに

水泳の授業は、「泳げるようになる」ことだけが目的ではないと思っています。水の中で自分の体を守れること。水を怖がりすぎず、でも甘く見ないこと。それも大事な学びです。

苦手な子が、ぶくぶく、ぱっ、とできるようになるまで、少しずつ。その子のペースで進めてあげてください。

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