どうも。「せいたか先生」です。
寒くなってくると、校庭のあちこちで持久走の練習が始まります。冬の風物詩ですねぇ。
で、持久走。子どもに聞くと、好きな子と嫌いな子がはっきり分かれます。嫌いな子の理由は、だいたい「しんどいから」「いつもビリだから」。そりゃそうです。私だって、ただ「何周走りなさい」と言われたら嫌になります。
ということで今回は、持久走を「ただ走らせる時間」にしないための場の設定を書いてみます。
持久走で育てたいのは「速さ」ではない
まず、ここを押さえておきたいところです。
持久走は、学習指導要領では高学年の「体つくり運動」の中にある、「動きを持続する能力を高めるための運動」の一つです。つまり、ねらいは一定の時間、続けて動ける体をつくること。誰が一番速いかを決めることではありません。
ここを先生が忘れると、持久走はただの「順位づけの時間」になります。そうなると、毎回ビリの子は、どんどん走るのが嫌いになる。それは避けたいところです。
「時間」で走る
場の設定として、私が一番おすすめしたいのは、距離ではなく時間で走ることです。
「校庭5周」だと、速い子はすぐ終わって、遅い子はずっと走っている。そして、みんなが遅い子を待つ。待たれる子は、つらいです。
「5分間走」にすると、全員が同じ時間に走り始めて、同じ時間に終わります。速い子はたくさん走るし、ゆっくりの子は自分のペースで走る。終わる時間は同じ。これだけで、待たれる子がいなくなります。
自分のペースを見つける
時間で走るようにしたら、次は自分のペースを見つけさせます。
私はロードバイクに乗るのですが、長い距離を走るときに一番大事なのは、最初に飛ばしすぎないことです。最初に飛ばすと、後半で必ずばてます。子どもの持久走も同じで、最初の1周を全力で走って、2周目で歩いている子がよくいます。
そこで、こんなふうにしています。
- コースに目印のコーンを等間隔に置く(たとえば50mごと)
- 先生が30秒ごとに笛を吹く
- 子どもは、笛が鳴ったときに、どのコーンにいたかを覚えておく
これを何回かやると、「30秒でコーン2つ分」のように、自分のペースが分かってきます。そして、「今日はコーン2つ分を、最後まで続けてみよう」と、自分でめあてを持てるようになります。
「ペース走」と「ペア走」
慣れてきたら、こんなバリエーションも入れます。
ペース走:自分で決めたペース(30秒でコーン何個分)を、最後まで守れたかを見る。速さではなく、ペースを守れたかが勝負です。
ペア走:2人組になって、1人が走って、もう1人が周回を数えたり、ペースを声で伝えたりする。「今のペースいいよ!」と友達から言われると、子どもはなぜかがんばれます。
ペア走のいいところは、走っていない子にも役割があることです。ずっと走りっぱなしではなく、走る・見る、を交代するので、しんどさも少し和らぎます。
記録は「自分との比べっこ」
記録をとるときは、前の自分と比べるようにします。
カードに、毎回の「5分間で走った周回数」と「どれくらいしんどかったか(顔マーク)」を書かせる。そうすると、「先週より半周多く走れた」「同じ周回なのに、今日のほうが楽だった」という変化が見えてきます。
他の子との順位は出さない。これは結構大事です。順位が出ると、どうしても「勝った・負けた」になるので。
寒い日の準備
冬の持久走は、寒さとの戦いでもあります。
- 走る前の準備運動は、体ほぐしのような遊びで体をあたためる
- 走り終わったら、すぐに座らせず、ゆっくり歩いて息を整える
- 体調がすぐれない子は、無理に走らせない(朝の健康観察で確認しておく)
それから、ぜんそくなど配慮が必要な子については、事前に保護者の方や養護教諭と確認しておくと安心です。
おわりに
持久走は、「しんどいけど、続けられた」という経験ができる、数少ない運動だと思っています。ただ、それは順位をつけるためではなく、自分のペースを見つけて、前の自分より少しだけ長く続けられた、という経験であってほしい。
冬の校庭で、ビリの子が「先週より走れた!」と言ってくれたら、それで十分じゃないでしょうか。


コメント